【箱根駅伝】歴代「山の神」今、何してる?4代目誕生は?

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【箱根駅伝】歴代「山の神」今、何してる?4代目誕生は?
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箱根駅伝の華と称される往路5区。

小田原から芦ノ湖までの20.8kmを駆け上がるこの区間で、圧倒的な走りを見せた選手たちは「山の神」と称されます。

これまでに「山の神」と呼ばれたのは、順天堂大学の今井正人、東洋大学の柏原竜二、青山学院大学の神野大地の3名です。

また、近年話題の「山の妖精」や今後の「山の神」候補についても触れ、2025年の展望に迫ります。

本記事では、歴代「山の神」たちの成績やプロフィール、そして現在の活動について詳しく紹介します。

目次

箱根駅伝 歴代「山の神」

箱根駅伝には、往路5区、小田原から芦ノ湖までの20.8㎞を一気に駆け上る「山の神」と呼ばれた選手たちがいます。

「山の神」の称号が与えられた選手は3名。

・初代「山の神」今井正人(順天堂大学)
・2代目「山の神」柏原竜二(東洋大学)
・3代目「山の神」神野大地(青山学院大学)

この3人の山の神の成績とプロフィール、そして現在どうしているのかについて調べてみました。


箱根駅伝 5区の1位はみんな「山の神」?

箱根駅伝で、5区を1位で走った選手はみんな「山の神」と呼ばれるのでしょうか?

いいえ、違います。

「山の神」と呼ばれるためにはいくつかの条件が必要だそうです。

「山の神」と呼ばれるための条件

・5区を制覇すること
・事実上の区間新記録を出すこと
・前の走者をごぼう抜きするか、
圧倒な記録で走り抜けること
・逆転での往路優勝
・優勝チームの走者であること

これらの条件がそろって初めて「山の神」になれるのですね。「山の神」と呼ばれる人が3人しかいないのも納得です。

箱根駅伝5区コースについて

箱根駅伝の5区を語るにあたって、知っておきたいことがあります。

箱根駅伝5区は、小田原中継所の位置の変更や函嶺洞門の閉鎖のために距離が変わったりしています。

・2006年、小田原中継所が風祭駅前から小田原市街に変更になり、5区の距離が20.9㎞から23.4㎞なる。

・2015年、函嶺洞門の閉鎖のためにバイパスを通行することで、5区の距離は23.2㎞とされる。

・2017年、小田原中継所が風祭駅前に戻り20.8㎞になる。これで2005年以前と大体同じ距離になる。

このような事情で、2006~2016までのタイムは、単純比較は出来ません。

初代「山の神」今井正人 プロフィール

初代「山の神」と称されたのは、順天堂大学の今井正人さんです。

2005年、第81回箱根駅伝で山登りの5区で史上最多の11人抜きを達成しました。

更にそれまでの区間記録を2分17秒も縮めて1時間9分12秒というタイムを出しました

また、3年連続5区を走り「区間賞」を手にしている。これが「山の神」と呼ばれる所以です。

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名 前今井正人(初代山の神)
大 学順天堂大学スポーツ健康科学部卒
2004年2区・1:10:10(区間10位)(総合優勝、駒澤大学)
2005年5区・1:09:12(区間賞)区間新記録・(総合優勝、駒澤大学)
2006年5区・1:18:30(区間賞)・(総合優勝、亜細亜大学)
2007年5区・1:18:05(区間賞)区間新記録(総合優勝、順天堂大学)
金栗四三杯2005年・2006年・2007年
生年月日1984年4月2日40歳(2024年11月現在)
身 長169cm
体 重55kg
出 身福島県南相馬市
所 属トヨタ自動車九州
箱根駅伝 初代山の神 今井正人プロフィール
金栗四三杯とは

金栗四三杯(かなくり しそう)とは、箱根駅伝で最優秀選手に贈られる賞です。

箱根駅伝の創設者である金栗四三の功績を称えて、第80回(2004年)大会から授与されています。

今の今井正人さん 順天堂大学長距離コーチに就任!

2024年4月、今井正人さんは母校の順天堂大学スポーツ健康科学部の非常勤講師と長距離コーチに就任しました。

それまでの今井正人さんは、2007年順天堂大学卒業後に、実業団のトヨタ自動車九州に入社し、森下広一監督のもとで数々のレースで優秀な成績を収めました。

長年の現役生活の中で、2023年MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で日本のトップクラスで戦えていないと感じ2024年3月引退を決意し、指導者の道に進むことを決めました。

トヨタ自動車九州から出向の形で、順天堂大学で長距離コーチとして就任することになったのです。

2010年9月 RKB毎日放送のアナウンサー川添麻美と結婚。現在は3児のパパです。

・2007年、九州一周駅伝で4つの区間賞、新人賞、最優秀選手賞を受賞
・2008年、ニューイヤー駅伝で区間5位の記録を出し、陸上部主将に任命
・2015年の東京マラソンでは日本男子トップの記録を出し、世界陸上北京大会の日本代表に初選出。
・体調不良により北京大会を辞退
・リオ五輪や東京五輪選考会に挑戦(代表には選ばれませんでした)
・2024年3月現役引退

2代目「山の神」柏原竜二 プロフィール

2代目「山の神」と言われたのは、東洋大学の柏原竜二さんです。

柏原さんは、2008年から4年連続5区を任され、4年連続区間賞を受賞しています。

更に4年生の時には1時間16分39秒の区間新記録を樹立して東洋大学の総合優勝に貢献しています。

柏原竜二さんは、同郷の今井正人さんに憧れ東洋大学1年の時に自ら5区を走りたいと申し出たそうです。

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名 前柏原竜二(二代目山の神)
大 学東洋大学 白山キャンパス 経済学部
2009年5区・1:17:18(区間賞)区間新記録(総合優勝、東洋大学)
2010年5区・1:17:8(区間賞)区間新記録(総合優勝、東洋大学)
2011年5区・1:17:53(区間賞)(総合優勝、早稲田大学)
2012年5区・1:16:39(区間賞)区間新記録(総合優勝、東洋大学)
金栗四三杯2009年・2010年・2012年
生年月日1989年7月13日35歳(2024年11月現在)
身 長174cm
体 重55kg
出 身福島県いわき市
所 属富士通
箱根駅伝 二代目山の神 柏原竜二プロフィール

今の柏原竜二さん 東洋大学大学院 社会心理学に進学(富士通在籍)

2024年 柏原竜二さんは、富士通に在籍のまま東洋大学大学院で社会心理学を学ぶために進学しました

東洋大学大学院に進学しますが、陸上部のスタッフとして活動することはなく、OBの一人として関わっていく可能性はあると述べています。

大学卒業後は、富士通株式会社に入社し富士通陸上競技部で全日本実業団駅伝などに参加しました。

2017年3月に現役引退を発表。

引退後は、2019年3月までアメリカンフットボールチーム「富士通フロンティアーズ」のマネージャーに就任。

文化放送の「スポーツダッシュNEXT」の中の「箱根駅伝への道」のナビゲーターとしてレギュラー出演しています。

2019年には、日本BS放送の八木菜緒アナウンサーと結婚し、現在は2次のパパです。

・2013年 全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)6区 区間4位
    青梅マラソン30kmの部 3位
・2015年 全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝) 5区 区間7位
・2016年 全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝) 5区 区間9位
・2017年3月 現役引退

3代目「山の神」神野大地 プロフィール

3代目「山の神」と言われたのは、青山学院の神野大地さんです。

神野さんは、1年の時には箱根駅伝に出場していませんでした。2年になって花の2区を任され、その後2015年~2016年は5区を駆け抜けました。

2015年の5区デビューは、意外な経緯がありました。当初5区を任されていた一色選手より好タイムで山登りが出来たため、急きょ5区を任されました。

その結果、1時間16分15秒という驚異的なタイムをだし青山学院大学史上初の総合優勝に貢献しました。

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名 前神野大地
大 学青山学院大学 青山キャンパス 総合文化政策学部
2013年出場無し(総合優勝、日本体育大学)
2014年2区・1:9:44(区間6位)(総合優勝、東洋大学)
2015年5区・1:16:15(区間賞)(総合優勝、青山学院大学)
2016年5区・1:19:17(区間賞)(総合優勝、青山学院大学)
金栗四三杯2015年
生年月日1993年9月13日31歳(2024年11月現在)
身 長165cm
体 重48kg
出 身愛知県津島市
所 属2016年コニカミノルタ入社(2018年4月30退社)
プロランナー(セルソース)へ転身
2023年12月M&Aベストパートナーズ陸上部プレイングマネージャー就任
(選手兼任監督)
箱根駅伝 三代目山の神 神野大地プロフィール

今の神野大地さん M&Aベストパートナーズのプレイングマネージャー就任

現在の神野大地さんは、コミカミノルタからプロランナーに転身、さらに2023年12月M&Aベストパートナーズ・陸上部のプレイングマネージャーに選手兼監督として就任しています。

神野さんは、コニカミノルタ入社後、2年目には福岡国際マラソンで初マラソンに挑戦しました。その後、挑戦は続きましたが、2018年4月コニカミノルタを退社しプロランナーに転身しました。

2023年12月には、M&Aベストパートナーズ陸上部に選手兼監督としてプレイングマネージャーに就任しています。

神野さんは、フルマラソンの他にトレイルランニングにも挑戦しトレイルの分野でも実績を重ねています。

・2019年アジア選手権で優勝
・2019年東京マラソンでは2時間12分台の記録も日本代表には選出されず
・2017年ハーフマラソンで1時間01分04秒の自己ベストを記録
・2020年 富士登山競走(日本最高峰の山を登るトレイルランニングの大会)で優勝
・2021年防府読売マラソンで2時間09分34秒の自己ベストを記録
・2021年 トレイルランニング日本選手権で優勝
・2023年アジアクロスカントリー選手権で銀メダル獲得
※2022年以降 トレイルランニングの世界大会にも出場し、国内外でのレース経験を積んでいます

箱根駅伝 「山の妖精」って誰?

箱根駅伝の「山の神」は有名ですが、実は箱根駅伝には「山の妖精」もいます。

その「山の妖精」とは、城西大学の「山本 唯翔」(やまもとゆいと)選手に与えられた称号です。

山本選手は、2年連続区間賞と区間新記録を達成しています。

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名 前山本唯翔
大 学城西大学経営学部
2021年5区・1:13:03(区間6位)(総合優勝、駒澤大学)
2022年城西大学不参加(総合優勝、青山学院大学)
2023年5区・1:10:04(区間賞)区間新記録(総合優勝、駒澤大学)
2024年5区・1:09:14(区間賞)区間新記録・(総合優勝、青山学院大学)
金栗四三杯2024年
生年月日2001年5月16日23歳(2024年11月現在)
身 長168cm
体 重51kg
出 身新潟県松代町
所 属2024年 SUBARU運動部
箱根駅伝 山の妖精 山本唯翔プロフィール

箱根駅伝 山本唯翔さんはなぜ「山の妖精」?

山本唯翔選手は、2年連続5区で区間賞、区間新記録を達成して「山の妖精」と呼ばれています。

5区で大活躍したのに、なぜ「山の神」ではなく「山の妖精」なのでしょうか?

それは、大学3年の時櫛部静二監督からレースの途中で「山の神にならなくていい、山の妖精になれ」と声を掛けられたことで「山の妖精」と呼ばれるようになったそうです。

その時、山本唯翔選手は5区を走り4人抜きで区間賞を獲得し城西大学は総合9位に入り5年ぶりにシード権を獲得しました。

「山の神」になるには、往路優勝とチームの総合優勝も必須だったので、監督は「山の神」にならなくていい、山の妖精になれと言ったのでしょう。(2023年城西大学は9位、2024年は3位でした)

その他の逸話で、山本唯翔選手が「うす暗い山道を白いキャップでひょいひょいと軽快に駆け上がる姿が妖精のようだ」「本人も山の神は畏れ多い」と言ったことで「山の妖精」が定着したようです。

山本選手は2024年現在、城西大学を卒業後は「SUBARU」の運動部で実業団の大会などで活躍しています。

第101回箱根駅伝 2025「山の神」は誰?

第101回箱根駅伝が、もう少しで開催されます。

今度の箱根駅伝では、10年ぶりに「山の神」が誕生するでしょうか?

この「山の神」に手をあげている選手がいます。

大学3年の時に、東海大学から創価大学に編入した「吉田響」選手です。吉田選手は、「出雲、全日本、箱根の3本すべて区間新記録と箱根では「山の神」になるのが目標です。」と宣言しています。

ここからは、私の勝手な予想を立ててみました。

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平林清澄
2024箱根 
全日本大学駅伝
國學院大学 4年
2区 3位 1:06:26
7区 2位 50:07 
平林選手が箱根を目指したのが、「山の神」柏原選手に憧れ、5区もありか?
全日本駅伝では7区区間賞を出し粘りの走りをみせる
山川拓馬
2024箱根 
全日本大学駅伝
駒澤大学 3年生
4区 6位 1:02:32
8区 1位 57:09(区間賞)
99回大会で5区 4位 1:10:45
粘り強い走りに期待
1年の時「山の神」になりたいと宣言していた
若林宏樹
2024箱根 
全日本大学駅伝
青山学院大学 4年
5区 2位 1:09:32
出走なし
2022年で5区を走り、区間3位。称号「若乃神」。4代目「山の神」目指す。若林の安定した走りはチームにとって大きな武器
吉田響
2024箱根
全日本大学駅伝
創価大学 4年
5区 9位 1:12:38
2区 2位 31:05
出雲駅伝2区(区間賞)15分46秒
全日本駅伝、区間2位31:05。今季も好調を維持。特に山岳区間での強さが際立つ。「新山の神」を目指す。目標1時間8分台!

この中から、4代目「山の神」が出るとしたら、勝手な予想で青山学院大学の若林宏樹選手を推してみようと思います。

まず、青山学院大学は選手層が厚いこと、若林選手は1年生の時と3年生の時に5区を経験していて、3位、2位の記録を出しています。

青山学院大学は、2024年の100回大会では、往路も袋も制して総合優勝しています。

これらの好材料を考えると、若林選手が5区を走り4代目「山の神」の称号を手にするのではないかと予想しました。

箱根駅伝 歴代「山の神」の今は?2025年「山の神」の予想のまとめ

箱根駅伝の5区は、「山の神」の伝説が生まれる特別な舞台。その称号を手にした3人の英雄、今井正人さん、柏原竜二さん、神野大地さんは、圧倒的な記録と走りで私たちを魅了してきました。さらに近年では「山の妖精」山本唯翔さんが新たな注目を集めています。

今井正人さんは、2007年順天堂大学卒業後、実業団のトヨタ自動車九州に入社しました。現役引退は2024年3月です。2024年4月から母校の順天堂大学スポーツ健康科学部の非常勤講師と長距離コーチに就任して後輩の指導育成に携わっています。

柏原竜二さんは、2012年東洋大学を卒業後、富士通に入社し全日本実業団で活躍しました。2024年から東洋大学大学院で社会心理学部に進学しています。現役引退は2017年でした。

神野大地さんは、2016年青山学院大学を卒業後コニカミノルタでマラソンに挑戦しました。2018コニカミノルタを退社しプロランナーに転身しました。さらに5年後、M&Aパートナーズ陸上部に選手権監督として就任しています。

「山の妖精」山本唯翔さんは、2024年城西大学を卒業後、SUBARU運動部に入社し、実業団で活躍しています。

そして、第101回箱根駅伝では、10年ぶりの「山の神」誕生が期待されています。

彼らのドラマを通して、箱根駅伝の新たな物語がどのように紡がれるのか、これからも目が離せません!

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